先進医療とは

2022年10月27日公開

民間の医療保険やガン保険、生命保険でも一般的に広く普及した「先進医療特約」。

先進医療にかかる技術料を給付してくれるものですが、
そもそも「先進医療」って何?
という方も多いかと思います。

そこで今回は先進医療についての基本知識をまとめてみました。

先進医療とは

「先進医療」とは、難病などの新しい治療や手術として、特定の大学病院などで研究・開発され、厚生労働省が認めた高度な医療技術で、ある程度実績を積んで確立されることで、厚生労働省に認められたものです。

先進医療は、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術などです。
評価の結果、公的医療保険の対象となったり、対象から外れたりするなど先進医療の内容は時とともに変化します。

2023(令和5)年6月1日現在、先進医療は81種類となっています。

先進医療の技術料は全額自己負担

先程の記載どおり、先進医療は、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある治療・手術などです。

つまり先進医療にかかる費用は、公的医療保険の適用外、つまり全額自己負担となります。

<診療費例>

総医療費が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円だったケース

1.先進医療に係る費用20万円は、全額を患者が負担します。
2.通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院料 )は、保険として給付される部分になります。
   保険給付分=80万円(10割)
  その7割にあたる56万円が各健康保険制度から給付。
  3割にあたる24万円が患者の一部負担金。

厚生労働省ホームページより引用)

上記の例の場合、保険適用の一部負担金24万(高額療養費制度が適用される)と先進医療部分の自己負担20万円が患者の負担となります。

先進医療の自己負担例

先進医療技術技術料(1件当たり平均額)平均入院期間年間実施件数
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術301,951円9.7日82件
陽子線治療2,692,988円14.9日1,293件
重粒子線治療3,162,781円5.3日562件
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査37,423円44.0日227件
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)28,388円2.4日764件
細胞診検体を用いた遺伝子検査78,072円6.5日493件
子宮内膜受容能検査123,438円535件
公益財団法人生命保険文化センターホームページより引用

上記のように先進医療の自己負担は患者側にとって大きな負担となるため、民間の医療保険で「先進医療特約」が一般化することになりました。

実際、陽子線治療や重粒子線治療を受けられる方の大半は上記特約に加入されている、逆に言うと先進医療特約付きの医療保険に加入しているから先進医療での治療を受けることを決断されたようです。

現時点では保険料の負担があまり大きくないオプションですので、もしもの時の為に是非加入をお勧めします。

また最近では先進医療を受ける際の「交通費・宿泊代をカバーしてくれる」ものや、先進医療の自己負担分を一旦患者側で立て替えることなく、保険会社が医療機関に直接払ってくれる「直接支払サービス」もチラホラ見かけます。

少し覚えておくと保険選びの際に役にたつかもしれません。

先進医療の実績

実績報告
対象期間
先進医療
技術数
実施医療
機関数
全患者数総金額保険外併用療養
費の総額
(保険診療分)
先進医療
費用の総額
全医療費の
うち先進医療分の割合
2021.7.1

2022.6.30
83種類428施設26,556人約151.4億円約84.6億円約66.7億円44.1%
公益財団法人生命保険文化センターホームページより引用

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私がこの記事を書きました

橋田新一郎(Shinichiro Hashida)
橋田新一郎(Shinichiro Hashida)あんしん俱楽部FP
生命保険協会認定シニアライフコンサルタント
2級FP技能士
大手保険ショップにて長年経験を積み、2,000件以上のご相談を承る。
趣味は休日のスポーツと旅行。

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