行動経済学入門その1
2022年8月20日更新
「アンカリング効果とは」
保険加入だけでなく、資産運用から日常の買い物まで「お金に関することになると、冷静に考えると合理的でない行動をとってしまう傾向がある」ということを、公表している「行動経済学」という学問があります。
今回から5回にわたってこの行動経済学の主要な5つのトピックをご案内していきたいと思います。
どれも「なるほど!」と感じることが多いかと思います。
マーケティング(商品を販売する側)の世界でも当たり前に利用いるものなので、消費者側もある程度考えて行動しないと思わぬ出費につながってしまいかねません。
今回から5回にわたってご紹介するものはどれも有名なものばかりで、日常的に目にするものばかりです。
正しく理解して日常生活に活かしてください。
「アンカリング」とは
アンカー(アンカリング)とは船の「イカリ」のことで

船をつなぎとめるために海中に投下するものです。
「アンカリング効果」とは
行動経済学における「アンカリング効果」について説明します。
船の場合は、潮の流れなどによって船が自由に流されないようにつなぎとめておくためのもの。
でしたが、
行動経済学の場合は、アンカー情報によって「自由に」考えられなくなるというものです。
たとえば19,800円の掃除機と聞いてどう思いますか?
高い、安い、いま使っているものより安い・・・など自由にいろいろ考えられるはずです。
↓
しかし、これではどうですか?
↓

「39,800円」、気になりませんか?
さらに、こんなことが書いてあったとしたら、いろいろ考えますよね!

このように、周辺に打ち込まれたアンカーによって、思考が引っ張られてしまう、
このような傾向のことを「アンカリング効果」といいます。
人間関係でも
アンカリング効果は経済学だけの話ではありません。
たとえば「あの人は1時間ぐらい遅刻する」と聞いていた人が30分遅れで到着した場合、やや好印象になったりしませんか?
「1時間」というアンカーが多少影響するものです。
ネットで検索すると「恋愛にいかす『アンカリング効果』」などの記事がいっぱい載っています。
まとめ
このように「先行する(先に入った)情報によって、後の判断が左右されてしまう」ことをアンカリング効果といいます。
前半でお話したように、マーケティングで非常によく使われる手法のひとつなので、その情報だけで判断せず、他の店の情報や第三者の意見などを上手に取り入れて、しっかりと判断していきたいものです。